2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国におけるジャポニカ米消費圏拡大と産地間競争に関する研究
Project/Area Number |
20405035
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青柳 斉 Niigata University, 自然科学系, 教授 (30184055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 紅 北海道大学, 農学研究科, 准教授 (80312396)
伊藤 亮司 新潟大学, 自然科学系, 助教 (70334654)
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Keywords | 米消費 / ジャポニカ米 / インディカ米 |
Research Abstract |
計画初年の当年度は、まず、中国における米消費形態の地域特性に関して、米の嗜好特性及び消費者の米の購入形態について、主に消費者アンケート調査からその実態把握を試みた。調査対象の都市は、フフホト市、太原市、石家庄市、青島市、南京市である。アンケート調査の分析はまだ途上にあるが、石家庄市での調査結果から、1日3食の主食頻度ですでに米食が小麦食等よりも多いことが確認された。その背景として、小麦食圏の出身者には、米食圏出身者よりも小麦食志向が強いが、近年、米食嗜好が顕著に増大している。また、今後の米消費量の増大志向も米食圏出身者よりも多い。さらに、子供世代の米食嗜好は親世代よりも浸透しており、このような点から今後、小麦食圏における都市住民の米消費の増大が予想された。第二に、中国国内の主食構成の変化、米飯志向の地域性やその動向ついて、『中国農村住戸調査年鑑』に依拠して統計的把握を試みた。その結果、農村住民の米・小麦等の消費割合から、各省を「米主食圏」や「小麦主食圏」、「混食圏」など5つに分類できた。そして、1991年〜2006年の米消費の動向から、91年時点ですでに米消費割合の高い米食圏では、所得水準の向上により近年、1人当たりの米消費量を減少させている。これに対して、小麦食圏及び「混食圏」では米の消費を増大させていることが解明できた。第三に、インディカ米消費圏におけるジャポニカ米消費の動向に関して、福州市でスーパーや市場等でのヒアリングとともに、消費者アンケート調査を実施した。インディカ米主食圏の福州市においても中国東北米が浸透しており、粘り嗜好が強まっていることが分かった。また、東北ジャポニカ米の供給主産地である三江平原及び五常市についての実態調査では、省外大都市向けに販路圏を拡大していることが判明した。当年度の研究成果として、以上の新知見を学会発表で明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)