2011 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの天水地域における農村経済の改善にむけた乾季の土地利用
Project/Area Number |
20405036
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
安延 久美 鳥取大学, 農学部, 准教授 (30373228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 英治 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40452544)
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Keywords | 籾殻薫炭 / 東北タイ / 国際研究者交流 / 落花生 / RD33 / 技術普及 |
Research Abstract |
1.栽培試験の開始 非感光性品種RD33を用いた雨季作稲の栽培試験の結果を解析し、その結果を学会で発表した。特に、ラッカセイ-水稲の輸作体系における籾殻くん炭と消石灰の施用時期別のラッカセイの収量改善効果について解析した。この結果は、乾物重では籾殻くん炭区、籾殻くん炭+消石灰区において、慣行区よりも約30%も収量増がみられた。ラッカセイ前の施用と水稲前の施用を比較すると、前者により効果がみられ、水稲前施用ではラッカセイの収量改善効果はほとんどないといえた。研究結果により、乾季ラッカセイの収量改善策としては、くん炭利用(2t/ha)あるいは消石灰の施用が有効であると示唆された。 2.農家経済調査の実施 技術普及のリーダー的存在となる「ソイルドクター制度」と、これに認定されたリーダー農家から聞き取り調査を行い、技術普及における問題点およびソイルドクター認定農家の特性について聞き取り調査を実施した。また、技術情報の伝播の効率的な方法を検討するために、農村内における農家間ネットワークについて調査を行った。いずれも、データ分析をすすめているところである。 3.水利実態調査の実施 地下水利用実態について、前年度に引き続きデータ収集を行い、その解析結果の一部を学会等で発表した。この成果は「第66回農業農村工学会中国四国支部奨励賞」として表彰対象となった。また、2012年2月には、農家圃場での井戸掘削に協力してくれた農家を中心とした農村コミュニティに対して、地下水量の年較差や水量の今後の見通しについての調査結果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体では、当初の計画どおり研究は進んでいる。しかし、試験圃場のみでの輪作試験では、この施肥効果や土壌改善効果を見るには十分でない。農家へ普及可能な技術としていくためには、農家の協力を得て試験圃を設計する必要があるが、現地の農家との調整等に時間がかかっており、この点が課題として残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画についての大幅な変更はない。 農家圃場における栽培試験は1年目を実施する四手いである。当該プロジェクトは今年度が最終年であるが、農家圃場での試験は1年で中断するのではなく引き続き輪作効果を観察をする必要があると考えている。そのため、今年度はこれまでの成果を再検討し、次のフェーズにもつながるように課題を整理していく予定である。技術的にも経済的にも普及可能な技術開発をめざし、環地にフィードバックできる成果につなげたい。
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