2010 Fiscal Year Annual Research Report
タイにおけるカビ毒分解酵素の探索と家畜カビ毒疾病防除に関する研究
Project/Area Number |
20405042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 進 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任教授 (60109965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 良子 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 部長 (10195761)
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Keywords | アフラトキシン / ゼアラレノン / タイ / 家畜 / 分解 |
Research Abstract |
本研究の目的は、カビ毒を代謝不活化する酵素およびそれを利用したカビ毒の毒性低減方法を見出すことにある。アフラトキシン(AF)高濃度汚染地域であるタイ各地の農地、とくに前年度までに土壌にAF等カビ毒の代謝活性があることを見出したカッサバ生産農地から土壌試料を収集した。土壌をAFB1とともにインキュベーションすることによって代謝活性をTLCで調べ、活性能の高い試料を見出した。その試料から細菌と真菌を分離し、分離菌をAFBIを添加した液体培地中で培養し、TLCを用いてその活性能を示す菌株を特定した。活性能を持つ菌株については3H-AFB1との培養で生成した代謝物をフローシンチレーションカウンターに接続したHPLCで解析するとともに、AFB1の代謝生成物をLC/MSで解析することによって、代謝生成物がAFB2aであることをつきとめた。代謝活性をもつ真菌Aspergillus fumigates等と同定されたが、細菌については同定作業が進行中である。以上より、AFB1をAFB2aに代謝する酵素を持つ細菌と真菌が土壌に生息していることが判明した。動物における代謝に関しては、ヤギの消化管、肝臓、腎臓等の各組織のミクロゾームとサイトゾールの各分画に、ゼアラレノンをαゼアラレノールとβゼアラレノールに代謝変換する酵素活性が認められた。また、各種動物の肝組織によるAFB2の代謝を調べた結果、一部動物種においてAFB1への変換が認められたが、その機序は不明であるため酵素の関与を含めて今後の研究が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Exposure to aflatoxins in Japan : risk assessment for aflatoxin Bl2010
Author(s)
Sugita-Konishi Y, Sato T, Saito S, Nakajima M, Tabata S, Tanaka T, Norizuki H, Itoh Y, Kai S, Sugiyama K, Kamata Y, Yoshiike N, Kumagai S.
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Journal Title
Food Addit Contam Part A
Volume: 27
Pages: 365-372
Peer Reviewed
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