2008 Fiscal Year Annual Research Report
人為的に導入された日本在来の海外侵入生物の管理システムに関する応用生態学的研究
Project/Area Number |
20405047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大澤 直哉 Kyoto University, 農学研究科, 講師 (10221821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 弘法 山形大学, 農学部, 教授 (70202364)
田中 千尋 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60263133)
佐藤 智 山形大学, 農学部, 助教 (70444023)
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Keywords | 動物 / 昆虫 / 生態学 / 生態系修復・整備 / 侵入生物 / 害虫管理 / 保全生物学 / ナミテントウ |
Research Abstract |
本研究は、人為的に導入された日本在来の海外侵入生物ナミテントウをモデル生物として、侵入・定着段階の異なるアメリカ及びヨーロッパの複数の地点で、日本在来の海外侵入生物であるナミテントウが、どのように定着分布拡大しているか(或はするか)を、個体群生態学・行動学的手法を用いた海外野外調査で明らかにし、ナミテントウが短期間に原産国以外で定着・分布拡大した実態や要因を包括的に解明すると同時に、ナミテントウが他種と共存できるメカニズムを、同族の近縁種や未知の共存可能な種類に着目し、そのメカニズムを個体群生態学・行動学・生理学・遺伝学的手法で明らかにし、複雑な野外生態系で侵入した地域の在来種の捕食者群集の多様性を保持しながらどのように管理してゆくか、その管理システム構築を研究目的としている。日本在来の海外侵入生物ナミテントウを材料に、ナミテントウの他種との共存メカニズム解明のため、以下の実験を行った。 1)研究予備及び調査打ち合わせ:研究に先立ち、国内の関連研究者と、研究実施計画の妥当性や解析手法に着いて、意見交換行った。 2)野外調査:マツ類で共存するテントウムシ群集を調べるために、野外調査を実施し、京都付近でナミテントウと共存する4種(クリサキテントウ、ジュウロクホシテントウ、ウンモンテントウ、ムモンチャイロテントウ)のテントウムシを確認し、それらの飼育方法を確立した。 3)室内実験:ナミテントウ及び同胞種クリサキテントウの共存メカニズム解明のため、成虫の採餌・産卵行動、幼虫の採餌行動を観察し、2種の採餌・産卵行動に関するデータを取得した。 4)遺伝解析実験及び体表ワックス化学成分解析:原産国のナミテントウ個体群と侵入先ナミテントウ個体群の遺伝的な差異を調べるために、国内外のナミテントウ個体群のサンプルを収集中である。
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Research Products
(2 results)