2008 Fiscal Year Annual Research Report
コウモリを自然宿主とする新興・再興ウイルス感染症の出現予測
Project/Area Number |
20405049
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
本道 栄一 Yamaguchi University, 農学部, 准教授 (30271745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健 山口大学, 農学部, 准教授 (90284273)
水野 拓也 山口大学, 農学部, 准教授 (90398826)
竹松 葉子 山口大学, 農学部, 准教授 (30335773)
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Keywords | 新興感染症 / オオコウモリ / ウイルス |
Research Abstract |
タイ近郊(200キロ以内)の小都市(計5都市)におけるライルオオコウモリの生息状況を調査した。結果、すべての都市で、昼間の生息地は寺院に限定されていた。聞き取り調査を行ったところ、東方における1都市における、ライルオオコウモリ血清中の各種ウイルス抗体の保有率を算出したところ、抗ニパウイルス抗体を持つライルオオコウモリが最も多く、7割を超えていた。従来の報告によれば、タイ国における抗ニパウイルス抗体を持つライルオオコウモリの割合は、2割弱であり、今回調査した地域での保有率は非常に高かった。タイ国では、寺院に小学校を併設しているところが多く、今回調査したコウモリが生息する寺院でも、小学校が存在した。小学校では10数頭の犬を飼育しており、狂犬病のワクチンは接種してあるものの、それ以外のウイルス感染症に関する措置は全く行われていなかった。ヒト、イヌともにライルオオコウモリに糞尿を浴びている可能性は極めて高く、最近のバングラデシュでの報告によれば、オオコウモリからヒトへのニパウイルスの直接感染が指摘されており、来年度以降の調査を継続する必要がある。今年度は、さらに、コウモリにArgos発信器を装着して、その行動範囲を特定した。結果、この地域のオオコウモリは、国境を越えて、ミャンマーまで飛行することが明らかとなり、またそれは1日の飛行で可能であることが明らかとなった。また、近隣の1次産業についても調査を行った。さらに、東南アジア地区でのシロアリの種分布を指標とした環境評価についても調査を行った。
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Research Products
(4 results)