2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国北部の砂塵を含む大気汚染物質とその個人暴露の量的・質的差に関する調査研究
Project/Area Number |
20406001
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 豪 久留米大学, 医学部, 助教 (80383751)
小山 哲史 久留米大学, 医学部, 助教 (10549637)
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Keywords | 環境政策 / 大気中粒子状物質 / 黄砂 / 越境輸送物質 / 健康影響 / 呼吸器疾患 / ナノ粒子 / 砂塵 |
Research Abstract |
平成21-22年度に実施した国内での大気及び個人暴露の測定結果について検討した。特に黄砂飛来時期と非飛来時期の粒径、粒子数およびその成分についての比較検討では、(1)黄砂飛来時には、通常よりもより微小のナノ粒子で濃度や個数も増加が見られる、(2)春季と秋季には、気象庁、環境省の黄砂情報や黄砂予報で目視による地表での黄砂数や黄砂量が少ない、あるいは無しの時であっても、久留米地域で視界が悪い場合にナノ粒子濃度とその個数の増加が観察される時がある、(3)黄砂飛来時には有機炭素、硫酸塩濃度の増加が観察されるが、平成23年2月始めの中国の国慶節の際に久留米地域でナノ粒子の濃度と個数の増加を認めたが、成分分析では主成分は砂塵ではなく硫酸塩の可能性が高かった。健康影響調査は、WONCA/COOP調査票とSPF-36との関連性を検討するために、国内・外で100-200名の高齢者を対象に調査を行い、調査票の妥当性・信頼性について解析中である。黄砂の健康影響調査は、前年と同様に平成23年2月に黄砂飛来前の測定をソウル、内モンゴル、新潟、下関、熊本の健康管理センターや中堅病院の呼吸器科で、50歳から79歳の健常者(約562例)とCOPD・気管支喘息(347例)有症者で実施し、翻訳後、ID化して磁気媒体に入力中である。今後黄砂飛来時と飛来後に調査を実施予定である。下関地域の医療者との面接調査で、黄砂飛来1-2日後に気管支喘息患者で症状増悪を示すケースがみられると言う意見が多かった。
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