2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシアにおけるマダニ媒介性細菌ライムボレリアとアナプラズマの共感染実態解明
Project/Area Number |
20406011
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
増澤 俊幸 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (10181645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 典男 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10169039)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
岡本 能弘 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (40261036)
福井 貴史 千葉科学大学, 薬学部, 助教 (10453482)
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Keywords | アナプラズマ / ライム病 / ボレリア / マダニ / Anaplasma / Borrelia / Ixodes / ダニ媒介性感染症 |
Research Abstract |
イルクーツクのマダニlxodes persulcatusからヒト顆粒球アナプラズマAnaplasma phagocytophilum(A.p)とライム病Borreliaを初めて検出した。イルクーツクで検出されたA.p.特異的主要外被膜タンパク質P44の配列は、多くはこれまで世界のいかなる地域からも検出されていないユニークなものであったが、一方で一部は日本のマダニI.persulcatus と I.ovatusから検出されたA.p.と類似することが示された。このことから、大陸と日本の間でA.p.の伝搬と拡散があったと推測できる。また、A.p.の保有するp44遺伝子は地域により固有の遺伝子多型が存在すること示され、地球規模でのA.p.の分布や伝搬を研究するためのツールとして利用できることが示された。A.p.とライム病Borreliaの共感染率は、これまで報告されている他の地域と同様に低く、それぞれの保有動物が別であることを示唆した。 台湾の野鼠試料からA.p.とA.bovisを検出した。16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づいて系統解析を行ったところ、検出されたA.p.は中国の野鼠から検出されたA.p.と一致した。しかし、欧米で検出されたA.p.とは異なるクラスターを形成したことから、A.p.の変異種である可能性が高い。 16S rRNA を標的とした PCR により国内で捕獲されたイノシシとシカからA.p.に類似、A.bovis、A.centraleに近縁な配列を検出された。検出されたA.p.類似の配列は、欧米のA.p.由来配列とは98.5%程度の類似性しか示さず、またA.p.特異的p44が検出できなかったことから、別のアナプラズマ属細菌である可能性を示した。また、この配列はこれまで日本のマダニから検出された配列とも異なっていた。
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Research Products
(4 results)