2010 Fiscal Year Annual Research Report
若年性心臓突然死の国際比較II-Brugada症候群との関連性
Project/Area Number |
20406020
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 眞幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00211524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 克行 群馬大学, 医学部, 客員教授 (10444051)
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 教授 (90213686)
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Keywords | ポックリ病 / Lai-Tai / 突然死 / 冠動脈攣縮 / 動脈硬化 / 不整脈 / Brugada症 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
これまで、ポックリ病では、強い冠状動脈の攣縮作用を有するレムナントリポ蛋白(RLP-TG,RLP-C)が高い場合が多くみられ、これがこの病気の原因の1つであることが明らかにされている(武市・中嶋ら)。一方、ポックリ病の1/3程度には、血中レムナント濃度が高くない事例が含まれており、遺伝性致死性不整脈の可能性が、近年注目されてきている。その中でも、Brugada症候群は、その有力候補であり、我々は日本の100症例余りについて解析を進めてきたが、Exonの塩基配列決定について全体の約2/3が終了した。34種のアミノ酸置換を伴う変異が見出されたが、今後、その機能についての検討を行う予定である。 ポックリ病は、日本以外にも東南アジアに多いことが知られており、平成20年度から始めた、タイのChulalongkorn大学医学部法医学教室、N.Sirisup准教授、P.Chutivongae医師との共同研究における突然死症例の収集は80例余りに達した。これらの血清脂質分析を行った結果、タイのLai-Taiにおいても、我々が日本のポックリ病で見いだしている高レムナント血症を伴う症例が、多数存在することを明らかにした。しかし、一方では、低栄養の食事をとるライフスタイルの者にも、突然死例がみいだされた。これらは、戦後に多数みられたタイプのポックリ病と類似の病態がもつ可能性もあり、興味深いものである。これらのデータを含めた、ポックリ病に関する現在までの研究をForenaic Sci.Int.に総説としてまとめた。
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Research Products
(4 results)