2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ回路設計のためのグラフの理論とアルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
20500006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 修一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30151814)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / ナノ回路 |
Research Abstract |
研究の開始年度から沢山の重要な発見がありました.また,多くの興味深い未解決問題も明らかになっています. まず,ナノPLA設計への応用に関しては,直交半直線交差グラフが特に重要であることを明らかにしました.このグラフの特徴付け(必要十分条件)は未解決ですが,その特別な場合である直交2方向半直線交差グラフの特徴付けを2種類発見しました.一つは行列による特徴付けで,他方はグラフの点の順序による特徴付けです.しかしながら,直交2方向半直線交差グラフの認識問題の計算複雑度も未解決です. 次に,ナノPLA設計において重要な役割を果たす部分グラフ同型問題の直交半直線交差グラフに対する計算複雑度を明らかにしました.すなわち,部分グラフ同型問題は直交2方向半直線交差グラフに対してさえもNP完全であることを明らかにしました.実は,部分グラフ同型問題は,直交2方向半直線グラフの特別な場合である2部置換グラフに対してさえもNP完全であることを証明しております. 最後に,均衡完全2部部分グラフ問題もナノPLA設計において重要な問題であることを明らかにしました.さらに,直交半直線交差グラフに対してこの問題を解く多項式時間アルゴリズムを設計しました.しかしながら,計算時間のオーダが大きいために実用的であるとは言えません.実用的なアルゴリズムの設計は来年度の課題です.
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Research Products
(12 results)