2009 Fiscal Year Annual Research Report
形式言語に対する例からの学習を行う効率的アルゴリズムの開発・応用
Project/Area Number |
20500007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
若月 光夫 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 助教 (30251705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 悦次 電気通信大学, 名誉教授 (40016598)
西野 哲朗 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10198484)
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Keywords | 計算論的学習理論 / 正例からの学習 / 極限同定 / 等価性判定 / アルゴリズム / 決定性文脈自由言語 / プッシュダウンオートマトン / プッシュダウン変換器 |
Research Abstract |
計算論的学習理論は,人工知能の実現において最も重要な研究分野の一つである機械学習の可能性を,数理的で厳密に解析を行う研究パラダイムである.このような研究の対象として形式言語を選択し,その部分クラスの中で実用上重要な決定性文脈自由言語を受理する決定性プッシュダウンオートマトン(DPDA),またはそれに対応した文法等について,その構造に妥当な制約を課した部分クラスを幾つか対象として選び,計算論的な手法によって学習アルゴリズムを開発し,その応用を図ることを目的として研究を行った.本年度は以下の研究成果を得た. 1.学習アルゴリズム開発の基礎構築 昨年度,DPDAに出力機構を付与した決定性プッシュダウン変換器(DPDT)の部分クラスである実時間空スタック受理式決定性限定ワンカウンタ変換器(DROCT)に対する,多項式時間の等価性判定アルゴリズムを研究成果として得たが,実時間の制約を緩和した,ε動作をもつ空スタック受理式DROCTに対してもその等価性判定が多項式時間で行えることを証明した.この成果は対象とするDPDTに対する質問による学習に利用できる. 2.学習アルゴリズムの開発 昨年度までに得た,準同型写像による変換によって拡張された言語クラスに対する正例からの極限同定の統一的手法に関する研究成果をまとめ,論文投稿の準備を進めている. 3.学習アルゴリズムの応用 ジュウシマツという鳥の歌構造の解析には,Nグラムと呼ばれる確率的な音声認識モデルを利用する手法と,我々の提案する,k可逆言語と呼ばれる正則言語の部分クラスに対する極限同定アルゴリズムを利用する手法とがある.Nグラムモデルとk可逆言語との関係を明らかにし,我々の手法の優位性を示した.
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