2009 Fiscal Year Annual Research Report
離散最適化における,異種解決アプローチの融合によるアルゴリズム論の展開
Project/Area Number |
20500009
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤戸 敏弘 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (00271073)
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Keywords | NP困難離散最適化問題 / 近似アルゴリズム / 局所探索法 / グラフの独立集合問題 |
Research Abstract |
グラフの独立集合問題は,グラフ理論における基本問題であるが,一般には多項式時間では近似することすら難しいNP困難問題でもある.一方,重要なグラフクラスにd-claw freeグラフがあり,入力を同グラフに制限すると,自然な局所探索法により(d-1+□)/2倍近似(ただし,□>0)できることが知られている.しかし,グラフの頂点に任意の重みを許し,頂点重みの総和を最大化することを目的とする,重みつき独立集合問題においては,同手法の有効性は失われ,その近似性能は貪欲法程度にまで劣化する.このようなd-claw freeグラフ上の重みつき独立集合問題に対し,現在最良の近似アルゴリズムとして,d/2倍を保証するΩ(n^d)時間アルゴリズム,もしくは任意のdで多項式時間である2(d-1)/3倍アルゴリズムがあり,いずれも局所探索法であるが,問題本来の目的関数とは異なる評価関数を用いる点で特異である.本研究では,重みつき独立集合問題に対する近似精度保証の改善と基本局所探索の性能限界の解明を目指し,頂点重み分布に制限のある条件下で,同問題に対する標準的局所探索法の有効性を検証した.その結果,1)異なる重みの比が大きい(つまり>(3/2)(1+1(d-1)))場合,2)すべての重みが1以上2未満である場合,およびこれら二つの場合を統合したケースとして,3)重みをいくつかのクラスタに分割でき,各クラスタ内の重みの比は1以上2未満,異なるクラスタ間の重みの比は(3/2)(1+1(d-1))より大きい場合,のそれぞれについて,標準的局所探索法を用いて従来の近似精度保証を改善できることを示した.
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Research Products
(2 results)