2009 Fiscal Year Annual Research Report
グラフパターン言語の計算論的学習理論とグラフマイニングへの応用
Project/Area Number |
20500016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
正代 隆義 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (50226304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 智之 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (70264934)
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Keywords | グラフパターン / グラフ言語 / グラフアルゴリズム / グラフ構造データ / データマイニング / 機械学習 / 機械発見 / 帰納推論 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、グラフ構造データベースに蓄積された膨大な情報から役に立つ科学的情報を抽出するための基盤となる学習理論の構築と得られた情報を幅広く提供するためのグラフマイニングシステム開発である。平成21年度は、主としてグラフ構造データを表現するためのグラフパターンクラスを表現力に着目し、次の研究成果を得た。 グラフ構造データベースから意味のある知識を抽出するためには、まずそのデータ中に潜むパターンをどのようにグラフパターンとして表現するか、そしていかにしてうまくそのグラフパターンを発見するかが鍵となる。本課題では、平成20年度まで、薬理学における化学化合物の多くを表現できるグラフのクラスである外平面的グラフのクラスを対象に、高速な学習アルゴリズムおよびデータマイニングアルゴリズムを開発し、効率よく興味深いグラフパターンを発見することに成功した。平成21年度では、その効率の良さを阻害することなく、いかにグラフパターンの表現力を向上させるかという課題に取り組んだ。第1の結果は、ブロック保存型グラフパターンと呼ばれるグラフパターンのクラスを提案し、パターン照合・発見アルゴリズムといったデータマイニングにおける最も基本的なアルゴリズムを開発したことである。ブロック保存型グラフパターンの表現力は、これまでに我々が提案したブロック保存型外平面的グラフパターンよりも真に大きい。したがって、実世界のデータに対して、今以上に複雑なパターンを効率良く発見することが可能になる。第2の結果は、地図情報や複雑なテーブルを表現するためのグラフパターンのクラスとして、平面図パターンを設計し、効率の良いパターン照合・発見アルゴリズムを提案したことである。この2つの結果で得られた表現力豊かなグラフパターンと学習アルゴリズムが、新しい科学的知識の発見に貢献できると期待される。 以上が、本年度に得た研究成果の概要である。
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Research Products
(5 results)