2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500019
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
宋 少秋 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (80303329)
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Keywords | アルゴリズム / 計算機システム |
Research Abstract |
平成22年度において得られた研究成果は以下の通りである. ・スケジューリング関連の研究成果として,並列機械モデルにおけるジャストインタイム・ジョブ荷重和最大化問題に対する近似解法を開発した.これは平成21年度において行った並列探索実験で得られたデータを分析によって得られたものであり,実験データの裏付けとなる理論的な研究成果の導出に成功している.なお,本研究で開発した近似解法によって得られる近似解は,r/mである.ただし,mは並列機械モデルの機械数であり,rは近似解法の実装環境(特にメモリ容量および使用する計算機の台数)に応じて調整するパラメータである. ・ゲーム理論関連の研究成果として,ヘドニック・ゲームにおける存在判定問題について新たな充分条件を導出した.この研究成果についても安定集団構造の並列探索で得られたデータの分析により,安定集団構造をもつヘドニック・ゲームの分布から導出したモデルに対して,理論的な解析を行って導出したものである.その他,従来のハウスメイト問題を拡張し,一般化ハウスメイト問題をモデル化し,そのモデルにおける公平性の概念を提案し,公平解の探索実験に基づき解法の開発を行った. ・画像処理関連の研究成果として,デジタル・ハーフトーニングによる出力画像の質を向上させるため,ディザ行列の新たな尺度として一様度を導入した,食違い度を最小のディザ行列のうち一様度が最適となるディザ行列を探索して,より高画質の出力画像が得られることを検証した.また,探索で得られた一様度が高いディザ行列間の関係に着目し,一様度が高いディザ行列の効率的な構成法を提案した. なお,スケジューリング関連の研究成果は2011年7月に国際会議で発表する予定である.その他の研究成果はすでに国際会議で発表し,現在,学術雑誌へ投稿するために論文の出筆中である.
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