2009 Fiscal Year Annual Research Report
平面グラフの分枝分割アルゴリズムのより広いクラスへの拡張
Project/Area Number |
20500022
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 Meiji University, 理工学部, 教授 (20111354)
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Keywords | グラフ理論 / アルゴリズム / 組み合わせ最適化 / 分枝分割 / 平面グラフ |
Research Abstract |
Gをグラフとするとき、bw(G)によって、Gの分枝幅を表す。また、gm(G)によってGがg×g格子グラフをマイナーとして含むような最大の整数gを表す。我々はすべての平面グラフGに対してbw(G)≦3gm(G)+1が成り立つことを示した。これは、Robertson, SeymourとThomasによる不等式bw(G)≦4gm(G)の改良である。定数3から4への改良は、この不等式に基づいたアルゴリズムの多くにおいて、この定数が実行時間を表す関数の指数部に現れるために重要である。我々の証明は構成的であり、平面グラフの最適分枝分割を求める問題と最大格子マイナーを求める問題の双方に対して2次時間の定数近似アルゴリズムを与える。近似比は最適分枝分割問題に対しては2+εであり、最大格子マイナー問題に対しては3+εである。ここでεは任意の正定数である。我々はまた、上の不等式のタイトさについても調べた。k×hシリンダーとはk頂点の閉路とh頂点経路のデカルト積であり、C_<k,h>で表す。我々はbw(C_<2h,h>)=2gm(C_<2h,h>)=2hが成り立つことを示した。したがって、上の不等式の定数3は、最良の定数の3/2以下である。また、この不等式の証明を基礎とする、より高速な近似アルゴリズムも開発した。 また、無向グラフの辺を向き付けし、与えられた複数の始点終点対の間の有向距離をできるだけ短くする最適化問題を考察し、NP完全である場合と多項式時間アルゴリズムを持つ場合の分類を行った。
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Research Products
(6 results)