2010 Fiscal Year Annual Research Report
webアプリケーションにおける処理分担の半自動決定手法
Project/Area Number |
20500028
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小宮 常康 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (80283638)
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Keywords | ソフトウエア開発効率化 / プログラミング言語 / Webアプリケーション / 負荷分散 / 継続 |
Research Abstract |
本研究は,Webアプリケーションプログラムが実行する処理のうち,サーバ/クライアントのどちらでも実行可能な処理群の適切な処理分担を半自動的にあらかじめ何通りか求めておき,実行環境に最も合う処理分担を動的に選択することでWebアプリケーションの高効率実行を達成するものである.平成22年度の成果は次の通りである. 1. サーバ/クライアントのどちらでも実行可能な処理の対象となるデータをどのように扱うか(言語仕様上の扱い方)について,昨年度から引き続き検討・改善を行い,つぎのような言語機能を完成させた.まず,トップレベルで定義される変数や関数の配置・実行場所を,キーワード@server, @client, @migratableによって指示できるようにした.@serverと@clientは,それぞれサーバ,クライアントに固定して配置,@migratableは,配置の動的な変更が可能であることを示す.なお,マイグレータブルな関数/変数の実際の配置場所は個別に設定できる.これら3種のプログラム片は,それぞれ別の名前空間を持つ(明示的な遠隔参照によって他の場所の関数等を利用可).マイグレータブルな関数/変数間の参照は全て暗黙のリモートポインタとして扱うことでマイグレータブルなオブジェクト群はあたかも全て同じ場所に存在するかのように見え,明示的な遠隔参照は不要である(場所の移動に対して透過).暗黙のリモートポインタを,マイグレータブルな関数/変数にのみ現れる言語仕様にしたことで,暗黙のリモートポインタ導入に伴うオーバヘッドが生じる範囲を限定できる. 2. 処理分担の動的変更を安全に行う機構の研究として,実行中のプログラムの動的更新機構の研究を行った.提案手法は,更新に伴う処理の連続停止期間を短縮するために,更新の処理を細分化して行う.
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