2008 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル分析を用いたソフトウェア品質要求の妥当性と継承の確認法
Project/Area Number |
20500032
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
海谷 治彦 Shinshu University, 工学部, 准教授 (30262596)
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Keywords | ソフトウェア工学 / 要求工学 / 品質要求 / 定量化 |
Research Abstract |
ソフトウェア開発を遂行する際に以下の二点が問題となる. 1.あるソフトウェアの品質要求定義が妥当か否かを要求分析段階で確認する方法が無い. 2.定義した品質要求が最終製品に継承されることを設計段階等の開発途中で確認する方法が無い. 品質要求は単独の項目として存在するのではなく,いくつかの機能に横断的に関連している場合が多い.よって,要求仕様書,設計書,プログラム等をそれぞれ全体的に走査し,どのような品質特性がそれぞれどの程度含有しているかを解析する処理装置(本研究では品質スペクトル分析器と呼ぶ)が必要である.本研究では,要求仕様書,設計書,プログラムそれぞれの品質スペクトル分析器を構築し,それを用いて,定義した要求仕様書がユーザーのニーズに合致しているかどうかの確認,および要求仕様書段階の品質要求分布が設計,実装に継承されていることの逐次チェック実現を目的とした. 本年度は自然言語の箇条書きで記述された要求仕様書における出現単語の頻度に基づき,その仕様書において,どのような品質要求が重視されているかを半自動的に分析するアルゴリズムを開発した.品質要求のカタログとしては,国際標準であるIS09126に定義されている21個の品質副特性を利用した.ある要求項目がどの品質副特性に関係しているか否かを判定するためにTCM(Term-Characteristics Map)という表をソフトウェアの分野毎に準備し,その表を検索することで,分野に精通していない技術者でも,分析アルゴリズムを実施できるようにした.このアルゴリズムを実施する支援を行うCASEツールをJavaアプリケーションとして開発した. アルゴリズムおよびCASEツールの評価を複数の被験者による運用実験を通して行った.
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Research Products
(4 results)