Research Abstract |
本研究は,サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づくアプリケーション開発技術として,特に,サービスの提供者と利用者の間で非同期にメッセージ交換を行いながらサービスを提供する非同期サービス指向アーキテクチャの開発技術を確立することにある.2008年度は,同期/非同期メッセージ交換を包含するSOAのメタモデルの開発とそれに基づく設計方法の開発を主眼とした. まず,これまでのSOAの関連技術の整理,体系化を行い,論文誌ACM Transactions on Software Engineering and Methodology,ならびに,情報処理学会ソフトウェアエンジニアリングシンポジウムの論文としてまとめた.この整理に基づき,同期/非同期メッセージ交換を包含するSOAとしてユニバーサルサービス指向アーキテクチャ(UniSOA:Universal SOA)の概念を提唱し,メタモデルとパターンに基づく設計方法Unified Design Methodを提案した.これは,SOA設計技術におけるオリジナルな成果であり,これをまとめた論文はSOAに関する最大の国際会議であるIEEE ICWS(International Conference on Web Services)で採択された. さらに,提案設計方法の妥当性を確認するために,ホームネットワークシステム,自動車テレマティックサービスへ適用を試み,国際会議,シンポジウムの論文としてまとめ,採択された.ホームネットワークシステムでは,移動するユーザに対する連続的サービスに着目し,モデルに基づくサービス設計方法を提案した.自動車テレマティックサービスでは,実際のテレマティクスサービスを想定した適用可能性を検討した. 以上の成果をまとめると,2008年度は当初の研究計画の目標を達成したと言える.
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