Research Abstract |
本研究は,ネットワークを介してソフトウェアが連携するためのサービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づくソフトウェア開発技術として,特に,サービスの提供者と利用者の間で非同期にメッセージ交換を行いながらサービスを提供/利用する非同期サービス指向アーキテクチャの開発技術を確立することにある.2009年度は,サービス指向アーキテクチャ(SOA)の同期/非同期メッセージの統一的設計方法,ならびに,検証方法を主眼とした. 設計方法については,前年度に提案したユニバーサルサービス指向アーキテクチャ(UnisOA : Universal SOA)の概念に基づき,メッセージ交換パターンに基づく設計方法を提案し,国際会議で採択された.さらに,自動車ソフトウェアへの適用を考慮し,時間制約を満たすためのリアルタイム性を保証する設計,ならびに,外部からの信号を処理するためのイベント処理を可能とするSOAの拡張アーキテクチャを提案した.これらの成果は,論文誌,シンポジウム論文,研究会論文としてまとめて刊行し,あわせて,学会で発表した. さらに,提案方法を自動車ソフトウェアなどの実行時間が重要な要求となるソフトウェアへ適用するために,実行時間を評価,検証する方法を提案し,自動的に検証を行うためのソフトウェアツールのプロトタイプを開発した.提案方法を自動車テレマティックサービスへ適用し,提案方法の妥当性と有効性を評価した.これらの研究成果は情報処理学会などで発表を行っている. 以上の成果をまとめると,2009年度は当初の研究計画の目標を達成したと言える.
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