2008 Fiscal Year Annual Research Report
XMLデータ統合問題解決のためのXQueryの静的解析に基づく書き換え手法の開発
Project/Area Number |
20500043
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
加藤 弘之 National Institute of Informatics, コンテンツ科学研究系, 助教 (10321580)
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Keywords | XML / 関数型言語 / XQuery / 融合変換 / 最適化 / モナド |
Research Abstract |
XMLデータ統合問題における,Global-As-Viewアプローチに基づく書き換え手法を開発した。冗長な式によって生成された中間結果の削除に基づく合成式の書き換えは、融合変換と呼ばれプログラミング言語コミュニティとデータベースコミュニティにおける伝統的な最適化手法である。XQueryでは,ノード作成に関する合成式はデータ統合問題においてよく用いられる。安易なノード作成の削除は文書順序を保持ないので、XQueryの融合変換は従来のものより難しい。文書順序はXQueryにおいて重要な役割を果たしている。XQueryの式はXMLストア上で評価されるので、ノード作成を含む式が評価されるとこのXMLストアは更新される。本研究では、中間結果として動的にXMLストア上に作成されるXML断片をエミュレートできることを示した。このエミュレーションは式に割り振った拡張Deweyコードを用いることで達成できることを示した。これにより、文書順序を保存した書き換え手法を開発できた。この成果はACM SIGPLAN Workshop on Programming Languages Techniques for XML, 2009において発表され、査読者並びに参加者から本手法の独自性と重要性を指摘された。 現時点でのアルゴリズムは、逆軸に対する融合変換にも対応できるように、状態モナドを用いて、実装されているが、今後の課題としては、子軸だけであれば、状態モナドを保持する必要がなくなり、より高速なアルゴリズムの実現とともに、書き換えアルゴリズムの健全性と完全性の証明がきたいされている。
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