2009 Fiscal Year Annual Research Report
汎用マルチコアプロセッサ向けバイナリレベル投機的複数スレッド化の研究
Project/Area Number |
20500047
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
大津 金光 Utsunomiya University, 工学研究科, 准教授 (00292574)
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Keywords | バイナリ変換 / 複数スレッド化 / 投機実行 / 実行パス / プロファイル |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、以下の3課題の解決を図りながら、汎用マルチコアプロセッサ向けのバイナリレベル投機的複数スレッド化手法の研究開発を行った。 1. プログラムの実行パスに基づいた高性能な複数スレッド化手法の開発 プログラムの制御の流れ(実行パス)の中から頻度の高いものを選び出し、スレッド間でデータ通信が発生しないようなプログラムの分割パターンを見つけ出すことで、どのようなプログラムにおいても高速化可能な複数スレッド化手法の開発を行った。本年度は、頻度の高い実行パスに沿って自動的にプログラムのスレッド分割を行うステムソフトウェアを開発し、初期評価を行った。 2. プログラムの実行パスをソフトウェアにより低コストで精確に把握する手法の開発 本研究で開発する複数スレッド化手法において重要となる実行パス情報を短時間で精確に把握する手法について開発を行った。本年度は、パスプロファイラによって得られる情報を解析し、実際のプログラムの実行パスの挙動の変化について調査を行った。最も頻度の高い実行パスをスレッド分割の対象とすることで高い性能向上が達成できる見通しを得た。 3. 投機的スレッド実行のソフトウェアによる低コストな実現 投機的なスレッド実行を支援するハードウェア機能を備えていない現在の商用汎用マルチコアプロセッサにおいて、投機的複数スレッド実行手法を実現するためのソフトウェア支援環境の開発を行った。本年度は、投機的メモリアクセスを効率的に実現する基本操作ライブラリの実装を継続して行った。
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