2010 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル著作物の適正流通を支援する電子指紋の超高速検出と実時間検索
Project/Area Number |
20500049
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
井口 寧 北陸先端科学技術大学院大学, 情報社会基盤研究センター, 准教授 (90293406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸紀 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助教 (30452113)
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Keywords | FPGA / リコンフィギャラブル / 電子指紋 / 音楽ファイル / インターネット配信 |
Research Abstract |
電子指紋検出アルゴリズムの計算量、回路量、被検出楽曲に対する耐改変性などについて,既存アルゴリズムをプログラムとして実装することによって詳しく検討した。2009年度に引き続いて,ハードウェア実装向きの電子指紋検出アルゴリズムの改良を行った.2010年度新たに提案したアルゴリズムは,1/4サンプルづつ間引きした上でHaar Waveet変換(HWT)を行うものであり,ハードウェア実装の障害となる浮動小数点演算や乗算を用いないながらも,高い検出精度と実行速度を有するアルゴリズムである.提案アルゴリズムの実行時間をソフトウェアにて検証したところ,2009年度のアルゴリズムの実行時間とスループットがそれぞれ274m秒,7.63Gbpsであった所,新アルゴリズムは95μ秒,21.86Gbpsが期待できることが分かった.従来のFFTベースのHaitsmaらのアルゴリズムは,同順で1.7秒および0.01Gbpsである. これらのアルゴリズムを2010年度末にリコンフィギャラブルデバイスを用いて評価予定だったが,東日本大震災で実施が遅延した.しかし2011年4月には物品も納品され評価を行った. 様々な圧縮率や精度で改変を行った楽曲に対して,検出精度の評価を行ったところ,同じ楽曲なのに別楽曲として誤認識したケースが,Haitsmaらのアルゴリズムでは32万分の8,我々の2009年度のアルゴリズムは32万分の1であったのに対し,新アルゴリズムは32万分の3,一方で実際は違う楽曲なのに同じ楽曲だと誤認識ケースが,同順で32万分の16,36,および新アルゴリズムは0であった.新アルゴリズムは,簡単でリコンフィギャラブルデバイスへの効率良い実装が可能ながら,従来アルゴリズムに比べて,有為に高い検出精度を達成できた.
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