2010 Fiscal Year Annual Research Report
故障励起関数に基づく欠陥検出向きテスト生成法に関する研究
Project/Area Number |
20500051
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 寛 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80226878)
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Keywords | 情報工学 / ディペンダブルコンピューティング / システムオンチップ |
Research Abstract |
本研究では,テスト記憶容量およびテスト印加時間等検査機器の制限がある中で,各種故障モデル(縮退故障モデル,ブリッジ故障モデルおよびオープン故障モデル)を検出できる欠陥検出向けテスト法を提案する.また,高速なLSIの品質向上のために,タイミング不良に対しても有効な手法を提案する.22年度は次のような実績である. (1)遅延変動を起こす欠陥に対する欠陥検出確率を新たに提案した.動的な故障(縮退故障,抵抗性ブリッジ故障,抵抗性オープン故障)を統一的に扱うことができる故障励起関数および活性化経路評価関数に基づく欠陥検出確率を提案し,テストパターン毎に動的故障に対する有効性を評価できるようになった.さらに,欠陥検出確率を利用したテストパターン選択法をテストCADツールとしてコンピュータ上に実装した.評価実験から,提案手法によって,既存の2回検出テスト集合と同じテスト数で,タイミング不良の原因となる故障をより多く検出する欠陥検出テスト集合を生成できることを示した.例えば,c2670回路に対する実験結果から,提案法で選択された欠陥検出テスト集合は,テストパターン数が同数の2回検出テスト集合に比べて,より多くの微小な遅延故障を検出可能であることがわかる.また,抵抗性ブリッジ故障に対しては,12回検出テスト集合の3分の1のテストパターン数によってほぼ同等の抵抗性ブリッジ故障検出率を得ていることもわかる. (2)組込み自己テストにおいては,ローンチオンキャプチャテスト(LOCテスト)が普及している.そこで,LOCテストに対応したブリッジ故障シミュレータを作成した. (3)故障励起関数を利用した抵抗性オープン故障診断法を提案した.抵抗性オープン故障回路に対する故障診断結果から,提案法は既存の微小遅延故障に対する故障診断法に比べて故障候補数を減少することができた.
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Research Products
(5 results)