2009 Fiscal Year Annual Research Report
資源の動的最適配分法の理論とその無線周波数帯域割当て及びサービス科学への応用
Project/Area Number |
20500061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高木 英明 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (30260467)
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Keywords | 情報通信工学 / 移動体通信 / 応用数学 / サービス科学 / 応用確率過程 / 待ち行列 |
Research Abstract |
情報通信システム及びサービス・システムにおいて、負荷が時間的及び確率的に変動する場合の性能評価法を、確率過程の理論及びシミュレーションにより研究した。 1.セル方式の移動体通信システムにおいて、ランダムな長さをもつ通話時間中に横切るセルの個数を確率的に計算するための再生過程理論を作り、それをモバイル端末の動的位置管理の設計に応用するモデルを開発した。通話時間の分布として、会話のみならず、情報端末の使用が増えることを考慮し、単純な指数分布ではなく、相型分布等を扱えるように、計算法を拡張した。 2.サービス・システムに現れる、資源の要求量がランダムに変化する場合の基本的な確率過程について、時間依存する厳密解を計算した。サービスの順序が先着順・後着順・ランダム順の場合の待ち時間の分散の程度と、顧客が感じる不公平さの心理の関係を考察した。また、顧客が待ち時間を苦痛と感じないようにするためのシステム設計を検討した。 3.インバウンドコールを処理するコールセンターの運用モデルとして、オペレータをサーバとし、客の離脱がある待ち行列モデルについて、客の待ち時間と離脱確率及びサービス完了確立の結合分布を求め、客の満足度に関係する評価尺度の解析法を確立した。また、負荷が増大するときに、呼損率及び待合わせ放棄率を所与の値に保つために、オペレータ数を増やす程度の漸近的目安を計算するための分りやすい計算法を見出した。さらに、サービス開始後も離脱が起こりうる場合も解析した。
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