2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500064
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 彰一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70304186)
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Keywords | 匿名通信 / 分散ハッシュテーブル / オーバレイネットワーク / プライバシー保護 / 多重暗号通信 / 通信セキュリティ / IDベース暗号 |
Research Abstract |
本年度の成果として,IDベース暗号を匿名通信システムに適用する手法を提案し、実装評価したことである。本手法により、ディレクトリサーバを使用しない匿名通信システムが可能となり、ディレクトリサーバへの情報漏洩による匿名性の低下を防止できる。ディレクトリサーバを取り除くことは、匿名性およびスケーラビリティの実現のために重要であり、最近、多くの研究が世界的に行われている分野である。その中でも、IDベース暗号を用いた研究は例がなく、今後、多くの発展が期待できる手法である。 IDベース暗号は、通信相手のID(任意の文字列)を基にして公開鍵と秘密鍵を生成する暗号手法である。本研究では、匿名通信システムのような不特定多数が参加するネットワークシステムにおいて、暗号化の基盤となるIDの配布と匿名性を低下させない参加ノードの管理手法を実現した。IDベース暗号を匿名通信システムに適用するためには3つの問題がある。1)IDを重複なしに全ノードに割り当てること。2)ディレクトリサーバ等を検索することなしに割り当て済みのIDを取得できること。3)ランダムに割り当てられた受信者のIDを検索できること、である。本手法では、次にあげるように解決した。1)ID割り当てサーバを導入した。2)隣接IDを知るだけで全体の割り当て状況を把握することができるように、ID割り当てを規則化した。3)多接続型接続中継システムを導入し、匿名性を保ったまま受信者に接続可能とした。 さらに、本手法では、ディレクトリサーバがないことから、従来システムで必要であった公開鍵の配布コストがない。各ノードは、参加時にIDを受け取るための通信が1回必要なだけである。このため、スケーラビリティが大きく向上している。このように、匿名性とスケーラビリティの向上を実現する手法を実現できた。
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Research Products
(2 results)