2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500065
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高木 由美 Kobe University, 工学研究科, 助手 (70314507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 能 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10272254)
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Keywords | フラッディング / 無線アドホックネットワーク / 移動通信 |
Research Abstract |
今年度の本研究は、当初の予定では、経路制御プロトコルに電力制御を施し、シミュレーション評価をおこなうことになっていた。しかし、現在、小型船(漁船)は気象や市場、遭難など様々な情報を一斉配信することへの高いニーズがあることがわかったので、今年度は、データの一斉配信を確実に早くおこなうことめざし、フラッディング方式の改良を試みることにした。 フラッディング方式の改良については、カウンタベース方式や距離ベース方式、確率ベース方式などがすでに提案されており、これら単独での改良方式や組み合わせによる改良方式も研究されている。しかし、データの配信率を保ちながらも、データの配信時間が短くなることを目指した研究はなされていない。そこで、本研究では、データの配信率を保ちつつ、データ配信時間が短くなるよう、効率的な再ブロードキャストの削減を考慮した新方式を考えた。この方式は、カウンタベース方式と距離ベー方式、そしてホップ数を加えた組み合わせによるものである。また提案方式の有効性を確認するため、商用シミュレータQualNetにおいて、データの到着率や転送率、遅延時間の観点から、カウンタベース方式や改良方式DISCOUNTなどと新方式の比較をおこなった。その結果、新方式の優位性が確認できた。しかしながら、ノード密度が低い場合においては配信率を十分に改善することができなかった。ニーズの高い課題であるため、来年度も引き続きフラッディング技術について取り組み、あらゆる環境における配信率の維持を実現する方法を検討する予定である。 また、フラッディング方式の改良に加え、今年度は、海上実験において基本的なフラッディングが可能であることを実証した。
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