2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500065
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高木 由美 神戸大学, 大学院・システム情報学研究科, 助手 (70314507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 能 神戸大学, 大学院・システム情報学研究科, 准教授 (10272254)
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Keywords | 無線アドホックネットワーク / フラッディング / 送信電力制御 |
Research Abstract |
現在、漁船に対する気象や市場、遭難などの情報一斉配信に高いニーズがある。そのため、今年度もフラッディング技術の向上に取り組んだ。今年度は、送信ノードから遠いノードを先にフラッディングさせることで、配信時間の短縮も図れる新方式を考えた。そして、新方式の優位性を確認するために商用シミュレータQualNetを用い、データの配信率や転送率、配信時間の観点で、既存方式と比較した。その結果、新方式はどのようなノード密度でも配信率を維持したままで、配信時間を短縮できることを確認した。さらに、新方式は海環境でも適応できることをシミュレーションにより確認できた。 また、本研究では、伝送速度が1,200bpsと非常に遅い海上でのアドホックネットワーク(MANET)を実現するため、送信電力制御によるスループット特性の改善を目指している。よって今年度は、シングルホップにおける送信電力制御を考えた。MANETにおける送信電力制御では隠れ端末問題が発生するため、これまでに様々な方式が提案されている。しかし、必要となる複数のインタフェースの費用、802.11の変更、晒され端末問題による公平性の損失などの問題がある。そこで本研究では、シングルチャネル/シングルインタフェースで動作し、特別な制御パケットは使用せずに隠れ端末問題を解消できるMAC層の送信電力制御EqPC(Equalized Power Control)とEqPCNum(EqPC Numerical)を考えた。これらの提案方式では、送信ノードが使用する送信電力と受信ノードが被る平均干渉電力の関係を考慮し、送受信ノード間の距離に関わらず受信SINRが同じ程度になる送信電力を用いる。送信電力導出は、EqPCには伝搬モデル、EqPCNumには数値的手法を用いた。そしてシミュレーションにて、これらの提案方式が既存の方式よりも高いスループットとなることを確認した。
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Research Products
(4 results)