2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500073
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉山 久佳 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20264799)
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Keywords | 災害救助 / 自律移動ロボット / アドホックネットワーク / マルチエージェント / USAR / WiTricity / WREL |
Research Abstract |
前回の平成20年度の研究では,被災者発見システムを構成する各ロボットに対して遠隔給電を行うことを可能にする,低周波磁気共振機構にもとづく給電ネットワークの基盤となる給電リンクの最適設計法について検討した.平成21年度の研究では,この成果にもとづき以下の2点についての検討を行った. (1) 低周波磁気共振機構にもとづく給電リンク最適設計法の実験的検証 (2) 給電リンクを基盤とする複数ロボットによる給電ネットワークの形成 上記項目(1)では,伝送効率の目標値に対する臨界周波数,およびこの臨界周波数に対して決定する最適な回路パラメータに対して,伝送効率を含む測定値の理論設計値との比較を行った.本実験は,理論設計値の妥当性の検証,および臨界的な設計値に基づくシステム特性の実現性の検証の2点において重要性を持つ.実験においては以下の3点に困難が生じた.1)送電側と受電側のそれぞれを構成するLCループの作成,2)市販の部品による最適設計された送受電システムの構成,および3)電力伝送効率の測定法である.これらの問題に対して,例えば2)では入手可能な回路素子のパラメータを最適設計値として,システム駆動周波数などの他のパラメータを逆算してシステムを構成するなどの方法を用いた.実験の結果,理論的な最適設計値より得られる伝送効率を実際に得ることができることをほぼ確認した. 上記項目(2)では,群ロボット内給電ネットワークのうち,特に2台の送電ロボットが他の1台の受電ロボットに対して協調的に給電する場合を想定し,この最小単位の給電ネットワークの形成を可能とするプロトコルについて検討した.同プロトコルは,各ロボットが自律的に行動して給電ネットワークを構成することを目標としており,特にシステムの信頼性が求められるレスキューシステムにおいては重要である.検討の結果,各給電リンクの最適化を縦列的に行い,このプロセスを繰り返すことにより,ほぼ最適な給電ネットワークの形成が可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)