2008 Fiscal Year Annual Research Report
完全分散型P2Pネットワークでのピアの自信度に基づいた信用可能性の研究
Project/Area Number |
20500078
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
滝沢 誠 Seikei University, 理工学部, 教授 (80188119)
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Keywords | P2Pネットワーク / 信用可能性 / 自信度 / 知人ピア / センサー・アクター・ネットワーク / 完全分散型システム |
Research Abstract |
peer-to-peer(P2P)システムでは、どのコンピュータも自律的に相互接続できる開放性と大規模性を特徴とする分散システムである。これまでの情報システムで議論されてきたシステムの信頼性、可用性、安全性等の議論を、P2Pシステムに適用することは大規模性と開放性の点から困難となってきている。本研究では、こうした大規模分散型システムとしてのP2Pシステムのモデルとピア間の協調動作方式について考察を行なうものである。完全分散型P2Pシステムでは、各ピアは知人ピアと通じてシステムの状態を把握する必要があるが、知人ピアをどのように信用するかを決定することが重要である。知人ピアの信用可能性の評価方法として評判(reputation)では、誤った評判も取り入れられてしまう危険性がある。これに対して、本研究では、信用可能なピアの評価のみを取り入れることにより、誤ったまたは古い評価を除外することを試みるものである。また、センサーネットワークでは、センサノードはバッテリの強弱、ノイズ、センサの精度等により種々の振る舞いを行なう。どのセンサノードの値を信用するかという問題に本研究成果を利用し、センサノード故障の発見方法も研究する。本年度は、P2Pモデルのアーキテクチャ、信用可能性、自信度についての研究を行なった。アーキテクチャでは、コントローラの存在しない完全分散型のアーキテクチャを考察した。ピア間での信用可能性、自信度についての考察を行い、ファジー論理の適用を試みた。特に、この考察を用いて、ピア間の合意プロトコルを研究し、論文として発表を行った。また、センサー・アクター・デバイス・ネットワークを対象として、信用可能性の一部の概念であるフォールトトレラントな機能を検討し、論文として発表を行った。
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Research Products
(9 results)