2009 Fiscal Year Annual Research Report
問合せ解像度に基づくデータベースの静的安全性確保に関する研究
Project/Area Number |
20500092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00263434)
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Keywords | データベースセキュリティ / 推論攻撃 / 安全性定義 / インスタンス独立 |
Research Abstract |
本年度は,XMLデータベースにおける最も基本的な問合せ言語XPathを対象として,その充足可能性判定問題に関する成果を得た.ここで問合せqがスキーマSのもとで充足可能であるとは,qの解が空とはならないような,Sのインスタンスが存在することをいう.具体的な成果としては,あるクラスのスキーマのもとで充足可能性判定を行うために必要十分な情報を保持したデータ構造を提案した.そして,それを用いて効率よく充足可能性判定が行えることを示した.さらに,充足可能な場合に,問合せの各部分式がスキーマで指定されているどの型に対応するかを解析する手法も与えた.充足可能性判定問題は,Sのどのインスタンスに対しても解として空を返す問合せ(すなわち,Sのインスタンスを全く区別できない問合せ)とSのあるインスタンスには非空の解を返す問合せ(すなわち,Sのインスタンスの部分的な区別ができる問合せ)とを判別する問題である.したがって,解像度の高低関係判定の極めて特殊な場合とみなすことができる.よって,本年度得た知見は,XPath問合せの解像度高低関係判定に利用できると期待される. 一方,関係データベースにおける連言問合せについては,解像度高低関係成立のための必要十分条件を発見すべく,昨年度に引き続いて発見済みの十分条件の精練化をおし進めた.しかし,必要性を満たさないことを示す非常にトリッキーな例が見つかるなどして,必要十分条件の発見にはいまだ至っていない.
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