2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500102
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 一朗 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70287473)
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Keywords | 画像符号化 / ロスレス再符号化 / 離散コサイン変換(DCT) / カラー動画像 / 動き補償予測 / ブロック適応時空間予測 / MPEG Audio Layer-3 / 量子化特性 |
Research Abstract |
本年度は、静止画および動画像に対する提案方式の性能向上に関する検討を各種実施した。また、動画像データの冗長度を削減するための新たな要素技術を開発すると共に、新たな展開として音声データのロスレス再符号化に関する基礎検討も開始した。主要な検討項目とその成果は以下の通りである。 1. 動画像データのロスレス再符号化 提案方式の適用範囲を拡大するため、一般的なカラー動画像記録形式であるYUV4:2:0フォーマットのMPEG-1映像コンテンツの再符号化方法に関して検討し、輝度及び色差信号のDCT係数に関する確率モデルを共有することで、付加情報量を削減できることを示した。また、動き補償に用いる動ベクトルを、MPEG-1規格の1/2画素精度から1/4画素精度(色差信号では1/8画素精度)に高めることで、再符号化性能の改善を図った。 2. ブロック適応時空間予測 これまで、動画像データの冗長度削減技術として、空間方向のイントラ予測と、時間方向の動き補償予測が用いられてきたが、それらはブロックごとに排他的に実行されるのが一般的であった。我々はこれらの手法を統合し、ブロック単位で時空間方向の相関を同時に利用する技術を開発した。この技術は、動画像データのロスレス再符号化方式はもちろん、従来のロッシー符号化方式の性能改善策としても有望であることが示された。 3. 音響データのロスレス再符号化 本研究課題の基本概念は映像コンテンツ以外にも応用できることを実証するため、携帯型音楽プレーヤーなどに広く用いられているMPEG Audio Layer-3(通称MP3)形式の音響データのロスレス再符号化技術に関して検討を加えた。MP3固有の量子化特性を考慮した予測技術の開発により、一般的な音楽データを約7.7%程度圧縮可能であることをシミユレーション実験によって明らかにした。
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