Research Abstract |
平成22年度は国際会議への参加支援の他にも多様な目的に応用可能なシステムを開発した.日常生活で物事を実行するとき,その物事に対して段取りを組むことが多く,段取りの良し悪しが結果を左右する.本研究では,この段取りをワークフローと見なして構造化し,共有するためのシステムを開発した.段取りは時系列順に実行される,または平行して実行可能なワークアイテムから構成され,各アイテムには作業内容,キーワード,コメントなどを付与することができる.そのためユーザは,ワークアイテムごとに何をやるべきかが明確となり,それにより必要な情報の収集も行いやすくなる.本システムは,ユーザがスケジューラに予定している物事を入力すると,それに適した段取りを推薦することもできる. また本研究では,「同じ目的で検索した先人は必ず存在する」という観点から,あるユーザのWeb検索履歴を,検索語句,閲覧ページ,検索語句の遷移により定式化し,同一目的の別めユーザの検索を支援するシステムを,Webブラウザの拡張機能として開発した.本システムはユーザが検索ボックスに入力した検索語句などを定式化に従がって随時蓄積し,蓄積されたWeb検索履歴と別のユーザが入力した検索語句や閲覧ページを比較して,その別のユーザの検索目的を推測し,その目的を満たすWebページを推薦する. さらに,市民団体の活動情報を対象として,数多くのWebサイトに分散した情報を自動収集するシステムを開発した.本システムは,市民団体のWebサイトの構造的特徴や所在地情報との差分などを利用して活動の位置情報を抽出し地図上にマッピングする.またさらに,本研究ではネットショッピングを支援するため,各サイトに分散したユーザレビューを一元的に管理するシステムを開発した. これらのシステムにより,情報の収集の道筋をナビゲートし,複数のページから有益な情報を収集する技術を実現した.
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