2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩谷 幸雄 Tohoku University, 電気通信研究所, 准教授 (10250896)
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Keywords | 音空間 / 聴覚ディスプレイ / インタラクティブ / レンダリング / アンビソニックス |
Research Abstract |
平成20年度の研究結果から、音空間のリアリティを向上させるには、単に頭部伝達関数をたたみこんで音の位置情報だけを与えるのではなく、聴取者を取り囲むように配置し、頭部運動に感応するような背景音が効果的であった。このため、本研究所の設備としてあった157チャネル包囲型マイクロホンアレイ上に、アンビソニックス集音再生原理に基づく、高精細音空間提示システムを設計することとした。本原理に基づけば、聴取点位置における平面波の到来の物理現象は、実空間のそれと正確に一致させることができる。したがって、聴取者は自由に頭部を動かすことができ、自然な物理現象として頭部伝達関数がたたみこまれる。一方、アンビソニックス集音再生原理は球面調和解析に基づく手法であるが、包囲型マイクロホンアレイは矩形状に配置されているため、有効な実チャネル数を見積もる必要がある。検討の結果、5次の次数までは音場を作ることができることを明らかにした。また、音の制御にはこれまで、オフラインで編集した音を使うのみであったが、本年度はフランスのircamで考案・作成されたpure data(PD)を導入することにし、準リアルタイムでインタラクティブ性のある音場を構成することがみこまれつつある。次年度は、この原理に基づく具体的なシステム構築に取り組む。 また、3次元音空間ミドルウェアの改編にも努力し、距離遅延やたたみこみのFFT化などによる48kHzサンプリング化などを終了することができた。
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