2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペンコンピュータ上での手書き筆記環境構築に関する研究
Project/Area Number |
20500113
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮尾 秀俊 Shinshu University, 工学部, 准教授 (10239353)
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Keywords | ユーザーインターフェース / 手書きメモ / ペンコンピュータ |
Research Abstract |
平成20年度に提案した手書きメモの検索手法を用い、実際の検索システムを構築し、その評価実験を行なった。実験で用いた検索対象のメモは、日本語、英語、数式、グラフ、図、イラストからなり、含まれるストロークの総数は13,650本である。同一筆記者によって書かれた手書き検索クエリに基づき、上記メモの検索を行なった結果、ストローク数が6以上の検索クエリを用いた検索では、5位以内に目的のメモが検索される確率は98.9%であった。また、10ストロークの検索クエリの平均検索時間は13.8ms(CPU : Intel Core i7, 3.33GHz, Memory : 12GB)である。これより、十分に実用的な手書きメモ検索手法であることを確かめられた。しかし、本手法ではメモ書きと対応する検索クエリの記号について、筆順やストロークの区切りがほぼ同じであることを想定している。今後は、これらの条件を満たさない場合でも正確に検索ができる手法を考案する必要がある。 次に筆記メモの削除機能を考案した。削除操作では、削除したい文字部分の上に二重線を手書きで書き加えると、その文字部分が消去され、空いた領域を埋めるように後に続く手書き文字列部分が移動して、整形された文書を自動的に生成するようにしたい。そのためには、文字の区切り位置の情報が必要となる。本手法では、手書き文字に対して、同一文字内と非同一文字間のストロークについて、事前に筆記の時間間隔とストローク間の距離を調査し、これらの特徴量に基づいた区切り位置の特定手法を考案した。本手法を実装し、数名のユーザーに試用してもらった結果、良好な結果を得ている。今後は、データを増やし、削除・整形の精度について、より定量的な評価を行なう予定である。
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