2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペンコンピュータ上での手書き筆記環境構築に関する研究
Project/Area Number |
20500113
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮尾 秀俊 信州大学, 工学部, 准教授 (10239353)
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Keywords | ユーザーインターフェース / 手書きメモ / ペンコンピュータ |
Research Abstract |
昨年度までに提案した手書きメモの検索手法では、メモ書きと対応する検索クエリの記号について、ストロークの区切りが同じであることを想定していた。この条件を緩和するために、2ストロークが1ストロークに接続した場合と1ストロークが2ヌトロークに分割してしまった場合を想定した手法を提案した。これにより、ストロークの分割・統合を含む検索クエリについて、従来法では5位以内に目的のメモが検索される確率が32%であったものを96%に精度向上することに成功した。また、検索速度の向上を目指すために、Edit Distanceによる類似度計算中で検索順位の5位以内から外れた時点で計算を打ち切る手法を導入し、高速化前に比べて74%の時間で検索できるようになった。これにより、十分に実用的な手書きメモ検索手法であることが確認された。 次に筆記メモについて挿入操作を行なえるように編集機能の追加を行なった。挿入操作では、挿入部分の下側にく印を書き、その下側に挿入したい文字列を手書きで書き加えると、該当部分に文字列が入るだけのスペースを空け、その部分に入力文字列を挿入する操作を行なう。挿入操作を行なった場合、挿入を行なった行の文字列の一部が行端から(横書きなので、右端から)はみ出してしまう場合がある。これを解決するために、以前に求めた文字間の区切り位置に基づいて、はみ出した文字列を次の行の先頭に送る動作を実現した。本手法を実装し、システムを試用したところ、良好な結果を得ている。
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