2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工的運動視差により誘起される新しい立体視覚とその3次元表示への応用に関する研究
Project/Area Number |
20500116
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
上平 員丈 Kanagawa Institute of Technology, 情報学部, 教授 (50339892)
|
Keywords | 奥行き知覚 / 運動視差 / 立体視 / 3次元ディスプレイ / カーナビゲーション |
Research Abstract |
人工的運動視差により誘起される新しい立体知覚について、昨年度製作した実験システムを用いて以下の項目を明らかにした。 1.奥行き知覚を生じさせる各要因の支配的範囲:模擬する奥行きが70mから200mの範囲で調べた結果、この範囲においては運動視差による奥行き知覚が支配的であることを確認した。しかし、知覚される奥行きの運動視差依存度は計算値より小さくなることがわかった。これは、運動視差以外の要因も奥行き知覚に影響を与えていることを示す結果であり、その要因として心理的要因である網膜像の大きさを取り上げ、表示パターンのサイズをパラメータとしてその影響を評価した。この結果、パタンサイズによっても奥行き知覚が変化することが明らかになった。以上の結果より、運動視差に加えてパタンサイズを模擬する奥行きに応じて変化させることによって、より精度の高い奥行き知覚が可能であることがわかった。 2.心理的要因による影響の明確化:運動視差は観察者が運動中に生じる知覚現象であるが、ナビゲーションへの応用においては運動が停止した場合でも、運動中に得た奥行き知覚が持続されることが望まれる。実験によりこの持続性について調べた結果、数十秒間は保持可能であることがわかった。また、提示パターンとして、単純なパターンだけでなく日常的に馴染みがあり、その大きさがよく知られている物をパターン化して提示すれば、そのサイズからも奥行きの手がかりが得られるため、より精度の高い奥行き知覚が実現できることがわかった。 3.シミュレーションによる評価手法の確立:本研究を効率よく実行することを目的に、大画面3D映像による仮想環境で奥行き知覚の評価が可能であることを示し、かつその手法を確立した。
|
Research Products
(3 results)