2009 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの彩色に基づき局所的な制約と大域的な制約を統合するクラスタリング手法
Project/Area Number |
20500123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80294164)
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Keywords | グラフ / クラスタリング / 彩色 / 制約 |
Research Abstract |
本研究では,近年グラフ理論の分野で提案されたグラフのb彩色という概念に着目し,グラフのb彩色が満たすべき2つの制約を,それぞれ局所的な制約と大域的な制約に対応させることにより,グラフの彩色に基づくクラスタリングの基礎理論の確立と,この理論に基づくアルゴリズムの開発を目指す. 上記の目的の実現のために,本年度は主にグラフに対する彩色に基づいてクラスタリングを行う手法の基礎理論の定式化と,検討した手法を計算機上にプロトタイプシステムとして実装することを目指した.グラフに対する彩色に基づいてクラスタリングを行う手法をアルゴリズムとして定式化し,そのアルゴリズムを計算機上にプロトタイプシステムとして実装し,基本性能の評価に取り組んだ.具体的には,下記の項目を実施した. 1)彩色数と各頂点に接続する辺数の最大値との関係を考察し,この関係に基づいてグラフ上の頂点に対する初期の色割り当てを行うアルゴリズムを設計した.設計したアルゴリズムを計算機上に実装し,データ間の非類似度に基づいて構築したグラフ構造に対してアルゴリズムを適用し,その挙動を確認した. 2)適正彩色と支配頂点の制約に基づき,欲張り法に基づく彩色アルゴリズムを検討した.上記1)での初期割り当てに対して欲張り法に基づいて色の変更を行うアルゴリズムを設計し,設計したアルゴリズムを計算機上に実装し,いくつかの小規模なデータセットに適用してその性能を評価した.
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