2009 Fiscal Year Annual Research Report
低精度近似モデルを利用した効率的探索による大規模問題の汎用的最適化に関する研究
Project/Area Number |
20500138
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高濱 徹行 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 教授 (80197194)
|
Keywords | 最適化アルゴリズム / 進化的計算 / Differential Evolution / 低精度近似モデル / 近似モデル / 機械学習 / 制約付き最適化 / Expensive optimization |
Research Abstract |
本研究は、大規模問題に対応できる効率的かつ汎用的な最適化アルゴリズムを開発するために、低精度近似モデルを用いて探索効率を向上し、目的関数の評価回数を削減することを目的とする。本年度は、下記の項目を中心に研究を行った。 1. 低精度近似モデルの比較:現在提案しているpotentialモデル以外の低精度近似モデルについて検討した。低精度近似モデルの候補として、カーネル関数を利用したkernel smootherを取り上げ、kernel average smootherとnearest neighbor smootherをpotentialモデルと比較した。数値実験の結果、potential モデルがkernel smootherより優れており、kernel smootherの中ではnearest neighbor smootherが優れていることを示した。 2. 混雑度パラメータの導入とパラメータの動的制御に関する検討:比較推定法では、低精度近似モデルを利用して解を比較し、有望でない解の評価を省略することによって評価回数を削減する。しかし、低精度近似モデルはある程度の誤差を含むため、近似誤差が比較推定法の性能に大きく影響する。このような誤差に対処するために、比較の際の許容誤差を設定する誤差余裕パラメータを導入していたが、解の近傍に点が少なく近似精度が低いと予想される場合に解の評価を省略することを避けるために、混雑度パラメータを導入した。この2つのパラメータについて数値実験を行ったところ、適切なパラメータ値は対象とする問題よって変化することが分かった。適切なパラメータ値は探索過程によっても変化すると予想されるため、パラメータ値を動的に制御する方法について検討した。生成された新しい解が古い解よりも優れている確率を探索の成功率として捉えると、成功率が高い場合には近似が容易であり、成功率が低い場合には近似が困難であると考えられる。これを利用して、近似が容易な場合にはパラメータ値を小さく設定して誤差の許容度を減少させ、近似が困難な場合にはパラメータ値を大きく設定して誤差の許容度を増加させることにより、動的にパラメータを制御する方法を提案し、良好な結果が得られることを示した。
|
Research Products
(8 results)