2010 Fiscal Year Annual Research Report
低精度近似モデルを利用した効率的探索による大規模問題の汎用的最適化に関する研究
Project/Area Number |
20500138
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高濱 徹行 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (80197194)
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Keywords | 最適化アルゴリズム / 進化的計算 / Differential Evolution / 低精度折似モデル / 近似モデル / 機械学習 / 制約付き最適化 / Expensive optimization |
Research Abstract |
本研究は、大規模問題に対応できる効率的かつ汎用的な最適化アルゴリズムを開発するために、低精度近似モデルを用いて探索効率を向上し、目的関数の評価回数を削減することを目的としている。本年度の研究内容と主な成果は次の通りである。(1)制約付き最適化の効率化:我々が提案してきた汎用的な制約付き最適化手法であるε制約法において、制約領域の緩和量を調整するパラメータであるεレベルの新しい調整法を提案した。Differential Evolution (DE)にε制約法を適用した制約付き最適化アルゴリズムであるεDEに対して、この調整法とアーカイブを導入したεDEagを提案し、国際会議IEEE Congress on Evolutionary Computation 2010で開催されたCompetition on Real-Parameter Optimizationに参加し、優勝することができた。さらに、この調整法とDEのパラメータを動的に調整する方法を導入したεADEを提案し、εDEと比較して代表的な制約付き最適化問題が1/2程度の関数評価回数で解けることを示した。ε制約法では、目的関数値と制約逸脱度を分離して扱い、両者を同時に最適化することにより制約付き最適化を実現する。昨年度までは、目的関数値を近似する方法について検討してきたが、今年度は制約逸度を近似する方法について検討した。(2)低精度近似モデルの検討:昨年度までとは異なる新しい試みとして、グラフを利用して山谷の構造を推定する方法について検討した。(3)多峰性問題への対応:多峰性問題は近似精度が低下しやすい困難な問題である。低精度近似モデルであるpotentialモデルでは解集団の各解の目的関数値を滑らかにつなぐように近似するため、最適解が隠され、局所解の方へ探索が進み、探索効率の低下や局所解への収束に陥ることがある。これに対処するために、種分化により解を棲み分けることにより、局所解に陥りにくい探索を行う方法について検討した。
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Research Products
(11 results)