2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨導音声を利用する高騒音環境下での音質確保とその音声認識、話者認識への応用
Project/Area Number |
20500152
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
島村 徹也 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40235635)
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Keywords | 骨導音声 / 品質改善 / 音声認識 / 雑音低減 |
Research Abstract |
本研究は、音声を利用する個人認証システムの質的向上および利用環境の拡大を目指し、従来着目されてこなかった骨導音声を積極的に利用し、雑音・騒音環境下においてさえも高認識率を確保する新しい認証システムを構築することを目的とし、3年計画で実施するものである。骨導マイクロホンから興録された音声、骨導音声、を利用し、その品質.改善を図るのと同時に、話者認識への応用に努める。これまでに遂行してきた骨導音声に関する研究をさらにいっそう発展させ、騒音環境においても十分に利用可能な、音声認識システムも含む話者認識システムへの応用を検討する。 本年度は、収音室としてサイエンスキャビンを埼玉大学の申請者の研究室内に設置することができた。キャビン内に気導マイクをおき、無雑音環境下での収音をする予定であるが、マイクの特性と収音室の特性の関係から、本研究のための実験に適したマイクを今後選択してゆく予定である。音声認識のアルゴリズムの設計は現在も進行中であるが、定評のある音声認識ソフトを別途購入し、代外的な準備を整えた。今後は実験段階に移る。骨導音声の品質改善手法および雑音低減手法の最適化に関しては、事務手続きの関係から実験設備の導入に時間を要したため、まだ実質行えていない。しかし、研究室内の環境騒音が混入する不完全データを基に、骨導音声の品質改善手法のパラメータを変化させた結果は得られており、大体の指標は押さえられた。雑音低減手法に関しては、特に音声の基本周波数を特徴パラメータとして抽出する場合における、スペクトルのべき乗処理に基づく、スペクトル引き算手法を合成的な自色雑音環境下で検討した。6月に研究会で発表予定である。
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