2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨導音声を利用する高騒音環境下での音質確保とその音声認識、話者認識への応用
Project/Area Number |
20500152
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
島村 徹也 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40235635)
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Keywords | 骨導音声 / 品質改善 / 音声認識 / 雑音低減 |
Research Abstract |
本研究は、音声を利用する個人認証システムの質的向上および利用環境の拡大を目指し、従来着目されてこなかった骨導音声を積極的に利用し、雑音・騒音環境下においてさえも高認識率を確保する新しい認証システムを構築することを目的とし、3年計画で実施するものである。骨導マイクロホンから収録された音声、骨導音声、を利用し、その品質改善を図るのと同時に、話者認識への応用に努める。これまでに遂行してきた骨導音声に関する研究をさらにいっそう発展させ、騒音環境においても十分に利用可能な、音声認識システムも含む話者認識システムへの応用を検討する。本年度は、サイエンスキャビン内での収音に成功し、複数話者の気導音声と骨導音声のデータベースの構築ができた。それを基に、骨導音声の分析を行い、話者認識に関する洞察を深めた。具体的には、雑音環境下における骨導音声からの話者の特徴量の抽出を検討し、スペクトルの低域成分から高域成分の推定が重要な役割を果たす事実を見出した。話者認識の実験を既存のハードベースおよび構築したソフトベースで行い、提案する方法の有効性を確認した。この研究成果をまとめ、国際学会で発表を予定している。また、骨導マイクに雑音が混入する問題が明らかとなり、この雑音低減を目的に検討を行った。骨導マイクから得られる骨導音声のみを入力とする音声強調手法として、雑音低減と音声強調の2つの観点からフィルタリング方法を具体化した。現在、この内容を論文としてまとめている段階であり、近々投稿予定である。
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