2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500161
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
榊原 健一 Health Sciences University of Hokkaido, 心理科学部, 准教授 (80396168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 博 東京大学, 大学院・医学研究科, 技術専門員 (30422281)
木村 美和子 国立国際医療センター, 研究所, 研究員 (00376435)
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Keywords | 歌声 / 声区 / 喉頭音源 / 音声生成 / 声帯振動 / 高速度カメラ / 病的音声 / 複雑系 |
Research Abstract |
1、特異な発声における喉頭の動態の分析方法として、喉頭トポグラフを提案、実装した。 喉頭トポグラフは、喉頭内の声帯等の振動を、記録された高速度ディジタル撮像の輝度変化を周波数分析することにより、喉頭における振動モード解析を行う手法である。喉頭トポグラフを用いることにより、重畳された喉頭内の異なるモードの振動を視覚的にとらえることが可能となった。喉頭トポグラフは、病的音声にも適用することが可能で、臨床的にも応用価値は大きい。 2、低い圧力により振動が励起される発声の代表であるフライ声区の声帯振動様式について、高速度ディジタル画像および物理モデルによりシミュレーションにより、周期的、非周期的、二重周期的の3種類に振動様式が分類でき、それらが、わずかなパラメータの差により相転移することを明らかにした。 3、ヒト発声における基本周波数の限界値に近い高さでの発声であるホイッスル声区の声帯振動様式を、高速度ディジタルカメラにより8000fpsで撮影を行い,喉頭トポグラフにより振動部位を分析し、裏声声区よりも更に辺縁に振動が集中していることを明らかにした。また、両側声帯の振動の位相が約πずれていることが観察された。 4、通常の発声と空気流の方向が反対になる吸気発声の、声帯振動様式を分析し、粘膜波動が上から下に伝播すること、発声中に恒常的に声門の間隙が存在することを明らかにした。 5、病的音声について二重声の生成のメカニズムを明らかにした。
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