2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500161
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
榊原 健一 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (80396168)
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Keywords | 歌声 / 声区 / 喉頭音源 / 音声生成 / 声帯振動 / 高速度カメラ / 音源モデル / 声質 |
Research Abstract |
ステレオ高速度デジタル撮像について、声門面積、声門幅、声門長の時系列データの分析アルゴリズムを提案し実装した.声帯のステレオ高速度デジタル画像の分析は、画像処理のステレオマッチングの問題としても非常に難しい問題であり、(1)光源は一定方向から照射せざるを得ない;(2)全体的に色、テクスチャの変化に乏しい;(3)狭い空間なので左右のレンズの光軸の距離が狭く測量精度を上げることが困難である;(4)声帯下部がしばしば影に隠れる;などの課題を解決する必要がある.本研究では,これらの課題について,空間,時間の両方の領域において測定誤差に関する平滑化を行い,妥当な推定方法を考案した. 今年度の研究成果として,推定値が,これまで知られている値を支持するものであり,また,声門面積関数についてもこれまでの相対値による声門面積関数と同一の形状をしており,推定値はほぼ実際の値を反映できていると考えられる. また,in vivoで実測された声帯振動の3次元動画の復元は,世界で初めて成功した. 声帯振動,また声帯振動の境界条件を知る上で,声帯の3次元的な動きの理解は不可欠であり,光学系の精度の向上,測定方法の改善,開発,画像処理における新たな手法の提案などを今後行うことにより,精度の高い声帯振動の3次元計測方法の構築、3次元動画の復元が可能となるという点で、本研究の成果は意義深いと考える。
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