2008 Fiscal Year Annual Research Report
装着型および環境設置型マイクロホンを用いた実環境下での音声認識
Project/Area Number |
20500177
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Research Institution | Aichi University of Technology |
Principal Investigator |
實廣 貴敏 Aichi University of Technology, 工学部, 准教授 (60394996)
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Keywords | 雑音抑圧 / 音声認識 / スペクトルサブトラクション |
Research Abstract |
音声認識の実環境下での精度を高めるとを目標に,周囲の環境に関する情報(雑音)を積極的に取り入れた新たな手法について検討する.ロボットの研究では,インテリジェントルームのように,環境が知能や知的処理を行うという研究が盛んになりつつある.音声認識では発話用マイクから得られる情報のみを活用してきたが,そのような環境では,より積極的に環境情報を活用するとができると考えられる.手始めに,本研究では,装着型マイク(ユーザマイク)および環境設置型マイク(環境マイク)を用い,環境マイクを通じて観測した雑音を元に,ユーザマイクで収録された雑音を抑圧する手法を提案する。これにより従来法では困難であった変動する雑音に対応した雑音抑圧が可能である.2008年度は,まず,評価に用いるデータを再録音により作成した.ユーザマイクと環境マイクの間隔を2種類設定した.このデータを用い,雑音抑圧および音声認識実験で評価を行った.提案法ではスペクトルサブトラクション(SS)法をべースにした.ただし,SS法で用いられる推定された雑音の代わりに,環境マイクで観測されたスペクトルをあらかじめ推定しておいた変換行列で変換,すなわち,空間特性を補正したスペクトルを雑音として用いた.実験結果から,提案法は従来法に比べ,特に非定常雑音において,顕著な効果を示した.また,距離が変わっても同程度の効果が見られた.今回の実験では,2つのマイクの時刻同期については視察により行った.今後は,自動推定で時刻同期を行うとを検討し,自動で雑音抑圧する手法を確立していく予定である.
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