2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモーダルカテゴリ分類に基づくロボットの実世界理解に関する研究
Project/Area Number |
20500179
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
長井 隆行 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (40303010)
|
Keywords | 知能ロボティクス / 機械学習 / パターン認識 / 人工知能 |
Research Abstract |
本研究では、ロボットが本当の意味で物事を"理解"するためにはどうすればよいか、という観点からロボットの知能の問題に取り組む。ここでまず重要なことは、"理解"の定義である。本研究では、物事に対する理解を、過去の経験をカテゴリ分類し、そのカテゴリを通した予測であると定義する。例えば、コップを見た場合の理解とは、そのオブジェクトから、液体を入れたり、飲むといった行為を予測できることである。この予測は、過去に他人があるコップに水を注いで飲んだり、自分自身がそのような経験することで形成される"コップ"というオブジェクトカテゴリ(=概念)に基づいている。従って、理解の基本となるのは、オブジェクトやイベントなどの経験に基づくカテゴリであり、ロボットが得ることのできる全ての感覚情報を駆使して、自らカテゴリ分類する能力が必要となる。本研究では、このカテゴリ分類を自ら(教師なしで)行うことのできるアルゴリズムの確立と、ロボットへの実装による「ロボットの真の理解の実現」を目的とする。 昨年度までに、確率モデルをベースとしたカテゴリ分類アルゴリズムを開発し、実際のロボットに実装することで、本研究で定義した"理解"の実現可能性を示した。本年度は、昨年度の課題であった、オンラインでのインクリメンタルな学習と、様々な粒度での概念構造の実現を目標として取り組んだ。これらの課題を、"Bag of Multimodal LDA"という新しい枠組みを提案することで解決した。また、アルゴリズムをオンライン化することに成功し、ロボットは、様々な粒度の複雑な概念と語意を、ユーザとのインタラクションを通して、オンラインかつインクリメンタルに学習することが可能となった。これらのアルゴリズムをロボットに実装し、昨年度同様、ロボカップ@ホームにおいて評価した。その結果、世界大会での優勝という成果を上げることができた。
|