2010 Fiscal Year Annual Research Report
Scanpath理論に基づくロボットの他者動作認識のための注視機能の研究
Project/Area Number |
20500182
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 豊己 東北工業大学, 工学部, 准教授 (90293141)
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Keywords | ロボット注視機能 / Scanpath / 関心領域 / 眼球運動 / 他者動作検知 |
Research Abstract |
ロボットが人間や他者ロボットと知的に協調するには,他者を観察し,その動作を認識するこどか重要である.そのためには,観察時の動作画像からある特徴領域を注視し,その状態変化を検知する必要がある.本研究では,Scanpathと呼ばれる人間の視線走査の特性を明らかにするとともに,その知見を応用し,ロボットの他者動作認識のための注視機能を実現することを目的とする. 平成22年度は,ロボット手先動作動画像におけるScanpath計測実験による特性解析と,その特性を応用した画像処理アルゴリズムによる動作検出手法の開発を行った. Scanpath計測実験では,2台の車輪型移動ロボットを使用し,一方のロボットが物体操作のためにハンドを動作しているシーンをもう一方のロボットが観察したときの動画像を記録し,それを被験者が観察したときの関心領域を計測した.その位置的類似度特性を解析した結果,前年度行った静止画での場合と同様トップダウン的な処理が優位にはたらくことがわかった. ロボット手先動作検出手法として,ロボットや対象物の領域をトップダウン処理による特徴パターンとして与え,従来用いたボトムアップ画像処理と統合してScanpathを検出する方法を適用した.ロボットのハンド動作の動画像に適用した結果,従来手法よりScanpath検出性能が向上することがわかった.さらに,被験者データとの位置的類似度特性が高いカーネルを使用することでロボットの動作検出が可能となることを示した. 本研究は,心理実験により計測されたScanpath特性を解析し,ロボットの注視機構への応用を試みるという点に特徴があり,以上の結果より,本手法がロボットの動作認識の目的において非常に有用であるとの結論を得た.
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Research Products
(4 results)