2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500191
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保 光徳 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (60214996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 文雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30261887)
青木 弘行 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20009757)
|
Keywords | 情動モデル / 1 / fゆらぎ / 格子状立体 / 心地よさ / 視覚 / 触角 / 生理反応 / 心理反応 |
Research Abstract |
情動モデルの外部刺激として、光造形により複数のパターンの格子状立体を作成し、それに対する視覚および触角の心地よさの評価を通して、生理、心理反応の測定を試みた。まず、立体を構成する要素として、色、弾性、表面荒さ、構造の4つに着目し「心地よい」とはどのような感覚であるかを探った。心拍数の測定結果については、色、弾性、表面荒さの異なるサンプルに関して、5%水準で有意差は認められなかった。これは50mm角の立方体を観察する実験では生理的な影響を及ぼすほどの差がないことを示している。しかし、心理的な影響について正規化順位法の結果から、寒色系のモノが心地よいと評価され、暖色系のモノがそうでないと評価された。これは寒色が鎮静色、暖色が興奮色とも呼ばれるように、色の心理的効果の研究と一致する結果となった。また、格子状立体において格子の太さと密度のバランスで印象が変化した。ここでは密度が極端に大きい立体と極端に小さい立体が、心地よくないという評価になり、傾向としては細い格子で構成されたモノが心地よいと評価されたようである。さらに格子パターンを生成する際には1/fゆらぎをもった格子立体構造となるようにサンプルを作成し、このゆらぎの生理・心理反応への影響について検討した。ゆらぎ度合いの相違によって心拍数、自律神経系の活動指標共に有意差は認められなかった。しかし正規化順位法を用いて、心地よさに関連した項目ごとに評価を結果は、外観から落ち着く、心地よい、繊細といった印象を受けるのは整然とした格子状立体であり、自然な印象を受けるのは1/fゆらぎを付加した立体であり、おもいしろいと感じるのは乱数により変化させた立体であるという結果を得た。加えて、実験協力者は外観を重視するタイプと触り心地を重視するタイプとに大別でき、前者は整然とした格子状立体を心地よいと評価し、後者は1/fゆらぎで変化した立体の触り心地をよいと評価した。
|
Research Products
(1 results)