2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500198
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
山本 昇志 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (70469576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 徳道 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (00272344)
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Keywords | 感性工学 / 質感 / コンピュータグラフィック / 動作解析 / 画像処理 / 投影画像 / 技術伝承 / 光沢再現 |
Research Abstract |
製品の最終仕上げ段階においては人間の優れた感性が高い品質と正確な評価基準を確立している.我々は,この熟練者の優れた感性をデジタル知識として保持し,伝承するシステムの構築を目的としている.従来の技術伝承と異なり,我々が目指すところは,(1)実物体の形状情報を簡易に計測して、(2)人間感性を評価できる"物体の質感"を自在に再現できる表示,(3)その質感を人間感性に合わせて変化させうるシステムの構築である.そのためにH22年度は実物体(立体)に様々な質感が投影できるマルチプロジェクションシステムを利用して光沢を再現し,再現モデルであるCGモデルの鏡面反射係数,その広がり係数を変化させた際の人間の感受性を定量化した.鏡面反射係数は光沢そのものの明るさを変化させるパラメータであるが,この増加と光沢感の関係は対数関係にあることが明らかになり,Weber-Fechnerの法則に則っていることがわかった.これにより,鏡面反射係数を調整すると人間は直接,光沢の強弱を判定できることになる.また,光沢の広がりを示す係数については,異なる2種類の実物体を用意し,シミュレータが実物体と一致するように係数を調節してもらった.その結果,実測した実物体の広がり係数とは異なるものの,光沢の優劣は統計的にも判定可能であることが明らかとなった.よって,光沢の広がり係数も人間の感性と大小関係が一致することが分かった.以上の評価と,昨年までの結果を踏まえ,本研究では製品の最終仕上げをシミュレートすることができる装置を実現することができている.またその観察状態や調整したときの判断基準はコンピュータが全て司ることが可能であるため,質感再現を含めた技術伝承が可能な段階まで到達することができている.今後は実用化に向けた観察条件の制約検討などを進めていく.
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Research Products
(14 results)