2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間共生システムのためのインタラクティブ情動コミュニケーションに関する研究
Project/Area Number |
20500203
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
前田 陽一郎 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (40278586)
|
Keywords | 知能ロボティックス / ソフトコンピューティング / ファジィ理論 / 人間共生システム |
Research Abstract |
本研究は大別して、(1)強化学習による主観的情動行動学習、(2)身体動作に基づく客観的ファジィ情動推論、(3)インタラクティブ情動コミュニケーション、の3つの研究要素を含んでいる。そのうち、H20年度は、(1)と(2)に関して個別に検証実験を行ったが、H21年度では、昨年度の成果を統合して、(3)の人間とロボットとの情動行動に基づくコミュニケーションを実現することを目指して研究を進めた。本研究では、これをインタラクティブ情動コミュニケーション(IEC)と呼ぶ。 IECの基本的な有効性を検証するために、当初、研究室のペットロボット(AIBO)を2台用いて、双方向のコミュニケーションの基礎実験を行ない、その後、1台のロボットを人間に置き換え、ロボット対人間に対して同様の実験を行なった。ここでは、被験者となる人間に動作の特徴点となる身体の部位にカラーマーカーをつけて、ペットロボットと向き合ってさまざまな情動行動をとってもらった。ここでは、カメラ画像によりロボットが観測した人間の身体動作(ラバン特徴量)をもとにファジィ情動推論を行い、被験者の基本感情値を推定し、喜怒哀楽値で出力(ラッセルの円環モデル)する。 本年度研究ではIECのプロセスのうち「情動生成」プロセスに対して、個人の嗜好に合った「有効反応モデル」をあらかじめ構築し、実機のロボットと人間によるIEC実験を試み、印象評価実験を行った。人間の情動行動とロボットの情動行動の組み合わせを比較検証することにより個人嗜好分析を行い、得られた有効反応モデルを搭載したロボットとのコミュニケーションが高評価を得ることを確認した。 尚、本研究に関連する情動行動学習および情動推論の手法に関して、H21年度に国際学会における最新技術の動向調査、および国内学会および研究会における2件の研究成果発表も行なった。さらに、現在、英文雑誌への論文投稿も行っており、現在査読中である。また、日本知能情報ファジィ学会において申請者が代表幹事を務める「人間共生システム研究会」でも、同学会誌2009年10月号において、掲載論文数、ページ数ともに記録的な規模の論文特集を企画した。さらに、英文雑誌JACIIIでもSpecial Issue of Human Symbiotic Systemを現在企画中であり、学会でも「人間共生システム」の研究領域発展に寄与した。
|
Research Products
(2 results)