2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500204
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
泰中 啓一 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (30142227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 仁 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10291957)
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Keywords | 格子ロトカボルテラ模型 / 数値シミュレーション / 生物進化 / 性比理論 / 最適化 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
これまで代表者らは、個体ベースのシミュレーションモデルとして、「格子ロトカボルテラ模型」を開発し、格子上で生物の出生と死亡プロセスを行ってきた。 本年度は、新しい生態系動態予測手法の研究開発を目的としてきた。近年の気候変動や人間による開発は、生物の適応に大きな影響を及ぼしている。生物の適応プロセスを正しく把握するためには、個体群動態を正しく記述する必要がある。しかし、現状の生態系動態予測手法を使うと、共生系に対して、個体数が無限大に発散してしまう。格子上の生物を想定し、個体ベースの第一原理から出発すると、発散が回避でき、基本モデルが開発できることが分かった。共生系の基本方程式は、現実の共生系の個体群動態をうまく説明する。また過去の共生系方程式よりも、はるかにシンプルである。ただし、もっと多くのデータによって検証する必要がある。 共生系は、シミュレーションの収束までに長い時間がかかる。代表者らは「有限サイズ安定解析法」を開発した。この解析法は、格子のサイズLを変化させて、サイズLが無限大の場合を予測する方法である。この解析法の利点は、シミュレーションによって生物の共存(パーマネンス)を判定する方法であり、どんなモデルにも適用できる。1996年Europhys.Lett.に発表したこの手法は、論文5編で使われている。この論文の内容は、3度の国際会議招待講演によって紹介した。
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Research Products
(4 results)