2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然現象のパターン形成機構による計算機視覚のための反応拡散アルゴリズム系の構築
Project/Area Number |
20500206
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野村 厚志 Yamaguchi University, 教育学部, 准教授 (40264973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 耕一 山口大学, 大学教育センター, 助教 (50452636)
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Keywords | 反応拡散 / FitzHugh-Nagumo方程式 / ステレオ視差検出 / エッジ情報 / 連続条件 / 非一様拡散場 |
Research Abstract |
本研究では、FitzHugh-Nagumo型の反応拡散方程式を用いたステレオ画像からの視差検出アルゴリズムにおいて、奥行きの不連続性を考慮するような改良を加えた。ステレオ視差検出の問題においては、一般に、視差の空間分布が滑らかに変化する連続条件を仮定する。従って、物体の縁のように視差の急激に変化する部分では、連続条件が満足されず、視差検出の精度低下をもたらす。そこで本研究では、視差の急激に変化する位置が、画像の輝度の急激に変化する位置(輝度分布におけるエッジ)と一致すると仮定し、エッジ情報を反応拡散方程式の非一様な拡散場に導入することを提案した。ここで、反応拡散方程式は、活性化因子と抑制性因子を持つが、抑制性因子の拡散が活性化因子のそれに対して十分大きくなるようにエッジ情報の導入を試みた。なお、輝度のエッジは、既に研究代表者らが提案している反応拡散方程式を用いたエッジ検出アルゴリズムを用いた。従来の反応拡散方程式を用いた視差検出アルゴリズムと、提案したエッジ情報を導入したそれとを、視差検出の性能評価のために広く用いられているサンプル画像に対して適用し、2つのアルゴリズムの精度を確認した。その結果、画像の輝度分布におけるエッジ位置と視差の不連続位置が一致するような場所においては、精度の向上が確認できた。一方で、仮定に反して画像のエッジ位置と視差の急激に変化する位置とが一致しない場所においては、精度の低下がみられることがあった。 これらの研究成果から、エッジ情報の導入方法について、さらなる研究課題が確認できた。
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Research Products
(3 results)